明石で生前/遺品整理ほか様々な事業を行うDear Family 金城さんのデザイン活用事例

こんにちは!カワッタデザインの河田です。
世の中にほんの少しの「変わった?」を作りたいを理念に、明石を中心に活動しているデザイナーです。

カワッタデザインとして開業してから3年目に突入しました。
おかげさまでこれまで多くのお客様にお仕事をいただきデザインでビジネスのお手伝いをさせていただいています。


デザインって何?どう活用すれば良いの?


多くの方はデザインに対して漠然と「かっこいいものを作る」というイメージをお持ちですよね。

  • 「経営にデザインは絶対必須」
  • 「経営者こそデザインを学ぶべき」

みたいなことをよく耳にする機会も多いと思うのですが、

  • 「じゃぁ、具体的にどうやって活用するのよ?」
  • 「それで売り上げ上がるの?」
  • 「お金払ってまで作ってもらう価値あるの?」

と思ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

今回は私が制作を担当させていただいた事例を通してデザインの活用方法をご紹介いたします。


「家族」を軸に明石で生前/遺品整理・ハウスクリーニング・終活・婚活などを行うDear Family 金城さん


昨年の夏はエアコンクリーニングをお願いしました。


複数の事業を展開されている明石のDear Familyさん


今回ご紹介するのは明石で事業をされているDear Familyの金城さん。


金城さんをご紹介いただき、初めてお会いしてからあっという間に1年以上が経ちました。
そこから家が近いこともあり、頻繁にお会いしてデザイン面でお手伝いをさせていただいています。

Zoomで複数人で打ち合わせをしている時もプライベートチャットで「河田さん、疲れていませんか?大丈夫ですか?」なんてメッセージをくださる超超超ジェントルマンです!優しい!

Dear Familyさんのお仕事は幅広く

  • 生前整理/遺品整理
  • ハウスクリーニング
  • 終活
  • 婚活

など、さまざまな事業を展開されています。


一見やっていることはバラバラに見えますが、すべて金城さんのある「思い」が軸となっています。


「家族を大切にしてほしい」それが金城さんの思い


金城さんの事業の軸、それは「家族を大切にしてほしい」という思いです。
金城さんはご自身の過去の経験からもこの思いが強く、屋号の「Dear Family」もここからきています。

  • 家族と向き合って欲しい
  • お掃除をしている間に家族との時間を作って欲しい
  • 死を考えた時に家族に何を残すのか考えて欲しい
  • 家族を作ってもらいたい

様々な事業は「家族」を軸に展開されています。


Dear Family金城さんのデザイン活用事例


制作させていただいたA4サイズ4ページの折りパンフレット


さて、本題です。

金城さんよりある時、

  • 生前整理・遺品整理のお客様へのクロージング用のツールを作ってもらいたい

という依頼を受けました。

クロージング(英: closing)とは、営業活動において顧客と契約を締結することを意味しています。
営業のクロージングとは?クロージング率を高める9つの方法 | Senses

金城さんが当時持っておられた悩みは以下のような感じでした。

  • 金額やサービスが不透明な業者が多いが、Dear Familyは明瞭なサービス内容/金額設定で透明感を伝えたい
  • 現状パワーポイントで自分で作った資料を渡しているがもっと伝わりやすくしたい

要するにお客さんを前にした時の「成約率を上げたい」ということなのですが、上記のような課題を感じておられたわけです。

金城さんご自身が作られたパワーポイントの情報をベースに、上記の課題を解決できる媒体を考えご提案させていただき、最終的には金城さんと一緒に制作をさせていただきました。


そして、出来上がったものがこちらです。

A4サイズの折りパンフレット(4ページ)です。(見開きはA3サイズ)
紙はコート紙よりも光沢を抑えたマットコート180kgという、よく会社案内などで使われる結構しっかりとした紙です。


表紙デザイン

中面デザイン

裏面デザイン


パンフレットなのですが、表紙っぽくない表紙だな…と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん、このデザインにはこのような表現にした理由があります。


パンフレットのデザインの制作意図


ターゲットユーザー


今回のデザインのターゲットユーザーは

  • 生前整理・遺品整理の対象である世代の子供世代(40代〜60代)

というものでした。
ですので、文字のサイズを50代以上の方が裸眼でも無理なく読めるようにしたりと工夫はしています。

ただ、よくあるこの「年齢」や「性別」によるセグメントだけでは全体のデザインを作るのは難しかったりします。


実は、このパンフレットを制作させていただく前も、Dear Familyさんの名刺・フライヤーなどを作らせていただいていたのですが、どれも元あるWebサイトとトンマナを合わせることしかしていませんでした。

トンマナとは、「トーン&マナー」の略で、広告におけるデザインの一貫性を持たせることを指します。 また、ブランドのイメージカラーとホームページのデザインカラーを合わせる必要があるなど、「トンマナ」は企業部ブランディングにおいても重要です。
トンマナの用語説明|ferret

作らせていただいた名刺デザイン。Webサイトのトンマナに合わせてデザイン。 イラスト:新藤里恵


今回制作したパンフレットも最初は「保険の説明パンフレット」のような表紙のデザインで考えていました。


初稿時のデザイン イラスト:新藤里恵


ただ、なんか違うな…と。


  • デザインにイマイチパワーを感じない…
  • 自分が作ったものが微妙…
  • 全体をまとめる世界観のアイデアが出ない…

ということは結構あって、この時もやはりそうでした。
(毎回…毎日…この状況と闘ってる気がする…)

こういう時、私は無理に自分の中から答えは出そうとせず(たぶん出しちゃいけない)、クライアントさんとユーザーとの関係を改めて考えてみるようにしています。

今回で言うとDear Family金城さんと生前整理・遺品整理をお願いするユーザーとの関係です。


ターゲットユーザーの心理的ハードルは何か


生前整理や遺品整理・ハウスクリーニングなど、積極的にお願いするお仕事…でもない気がしますよね。本気で困った状況になった時にやっとお願いするというか…。

さて、ユーザーが「なんとなくお願いしにくい」と思う理由は

  • 不透明なサービスの業者が多いから
  • 騙されて高額な金額を請求されるんじゃないか

というような理由ばかりかというと、そうでもない気がするんです。

もっと簡単な…でもあえてターゲットも口にしないような理由・心理。


私はこう考えました。

  • 見ず知らずの他人を家にあげるのが嫌だ



「そもそもそこ!?」みたいなことですが…


年末にはハウスクリーニングも。家の中がピッカピカになりました。


たとえば、我が家はお客さんを招き入れることはほとんどありません。家族以外の人が我が家に来たこと、ないんちゃうかな…。
もちろん、ハウスクリーニングなんて今まで頼んだことなかったし、何なら水道局やガスの点検すら嫌です。

これって妻も別に口には出さないですが、「見ず知らずの他人を家にあげるのが嫌だ」っていう心理があると思います。


では、そんな我が家がなぜ金城さんにエアコンクリーニングやハウスクリーニングを頼んだか。
理由は簡単です。



  • 金城さんという人をよく知っており、「この人なら信頼できる」と思っているから



これしかありません。

「この状況を他のお客さんでも作れないかな?」というのを起点に設計を考えていきました。


コンセプトを考える


コンセプトという言葉はみなさん聞いたことがあると思います。
学生の頃から「この企画のコンセプトは〜」みたいにプレゼンでも話していましたが、どうも意味も解らずなんとなく使っていたなと思います。

今も日々勉強ではあるのですが、現在私はコンセプトを

  • 狙い
  • 指針
  • 世界観

と捉えています。
厳密には3つは並列ではなく

狙いをもつ → 指針を立てる → 世界観を表現する

という流れになっていると考えます。

狙い:ターゲットにデザインに触れた後どうなってほしいのか

今回の狙いはこうです。

【デザインに触れる前】
 他人を家にあげるのが嫌だ
【デザインに触れた後】
 金城さんという人をよく知っており、「この人なら信頼できる」と思い仕事を頼む


指針:ステークホルダーで方向性を見失わない為の言語化


ステークホルダー…すなわち全関係者間で共通の認識を持つためのものです。
今回でいうと

  • デザイナーである私
  • クライアントである金城さん

だけになりますが、お仕事によってはチームで挑むこともあるしクライアントさんも担当者が一人とは限らない場合があります。そんなときに全員が同じ認識をもって確認ができるものです。

今回の指針はこうです。

  • お客さんに金城さんという「人」を知ってもらい少しでも近い存在にする


世界観:画として表現できパッとイメージができるもの


【金城さんという「人」をいかに知ってもらうか】という指針をベースに世界観を作っていくことにしました。

今回着目したのは屋号でもある「Dear Family」。

「Dear〜」って「親愛なる〜」っていう意味で手紙の冒頭につけるものです。

今まであまりここに意識がむかなかったのですが、この「Dear Family」を屋号としてだけでなく、パンフレットの冒頭で「お客様へ」という意味合いで使ったら面白いんじゃないかと思いました。

で、そこまでするなら思いっきり手紙っぽく表現しようと考えました。


制作当時のメモ書き


手紙は


  • 相手のことを思って
  • 受け取った時のことを想像して
  • 優しい気持ちで

というイメージがあり、真心を込めてお仕事をされている金城さんのイメージにピッタリだと感じたからです。



最後に一言にまとめて


狙い・指針・世界観を最後に一言にまとめると


  • 手紙のように金城さんの思いを伝え、「人」を知ってもらい、「この人なら頼みたい」と思えるデザイン

という感じでしょうか。



全体の構成はプレゼンテーションをイメージ


今回はクロージング用のツールということで、対面でこのパンフレットを使って実際にプレゼンテーションをしているところを想定して制作をしました。

では、実際にお客様に対面でプレゼンしているところを想定しながら説明します。


表紙:Dear Familyはこんな思いをもってお仕事に携わらせていただいています。


まずは表紙を見せながら、最初に


  • 生前整理・遺品整理を通して「お客様自身の心の整理とご家族との時間や関係を改めて感じるキッカケにしてほしい」

という金城さんの思いを伝えています。

ここは金城さんに「お客様にお手紙を書くつもりで書いてください」と実際に書いていただいた文字を使用しています。


文字:金城さん直筆 イラスト:新藤里恵


これだけデジタルになった今、むしろ手書き文字って見直されていると思うんです。
金城さんの字もとても魅力的でした。

とはいえ、プレゼンでこの面をすべて読むのは現実的ではないですよね。
プレゼン時はここはあくまで話のきっかけにしてもらおうと思いこの形にしています。


ここが印刷物の良いところでもあるのですが、


  • 金城さんが帰った後にお客様が改めて読んでみる
  • 子供から親に説明をするときにこのパンフレットを渡す

という感じで、手にした人からまた別の人の手に渡ることも想定しています。


表面で思いを伝えた後は裏面へ移ります。


裏面では「表面で伝えた思い」を裏付けるサービスのポイントを説明


裏面では、実際に発注していただいた後のサービスの流れとDear Familyが大切にしているポイントを伝えています。

ただ真心を込めてお仕事するだけなら誰でもできます。

ここでは具体的に


  • 見積もりの際に詳細を明確に提示すること
  • 処理を透明にする
  • すべて廃棄せず可能な限り再利用で活かす

など、具体的に気をつけているポイントを説明しサービスの透明感をアピールしています。

また、さまざまなパターンの口コミを伝えています。
口コミは別のユーザーの経験談なので、サービスがもたらす結果に説得力をもたせてくれます。


そして中面に移ります。


中面ではどのような料金プランがあるのか・金額がどれぐらいかかるのかを明確に表示


中面では裏面で説明したポイントをベースに、より具体的な料金などの説明に進みます。

説明を邪魔しないように、極力余分な情報は削ぎ落とし余白もしっかりとり見やすくしました。


こちらも金城さんの直筆です


このようにして


  • 金額やサービスが不透明な業者が多いが、Dear Familyは明瞭なサービス内容/金額設定で透明感を伝えたい
  • 現状パワーポイントで自分で作った資料を渡しているがもっと伝わりやすくしたい

という課題を解決できるように全体の設計をさせていただきました。

最終的には、全体の説明を聞いた人に安心して金城さんと契約をしていただきたいと考えています。


デザインは「課題解決」


デザインと言っても、会社によっても、個人によっても定義は様々かと思います。
なので、「私はこう捉えています」という話なのですが、

元々の語源のDesignは「カッコいい見た目のものを作る」という意味ではなく「設計全般」をさします。


私は語源の方の意味合いを強く意識して

  • デザインは「課題解決」

と捉えています。

要は課題を解決するためのあらゆる設計ということです。


そして、私は自分のことを

  • 「グラフィックデザイン」が手段として使える課題を解決する人

と考えています。


なので、時と場合によっては必ずしもグラフィックデザインを私がしなくても、お客様の課題が解決するのであれば手段を選ばない提案をさせていただくことを意識しています。


デザインを活用するというのは

  • ターゲットを明確にし、タイミングや場所に合わせて適切な手段で課題解決を行う

という風に捉えています。

さいごに

実はこのパンフレットのデザインとアイデアを最初に金城さんにお伝えした時に

「ヤバイ、河田さん、俺泣きそうやわ」

と言っていただけました。
言っていただけた私が嬉しくて泣きそうなんですが笑


そこから、この「手紙」のコンセプトは今回のパンフレット以外にも広げ、

  • Dear Familyさんと未来のお客様とのコミュニケーションツールにしよう

ということで、

  • 「売る」のではなく「売れる」状態にするための次の企画

を考え進めているところです。

是非ご相談ください

  • デザインの活用方法に悩んでいる
  • 今抱えている課題を解決するためにデザインの力が必要だ

という方がいらっしゃいましたら、是非お気軽にお問い合わせよりご連絡くださいませ。

デザインの制作に入る前の情報設計のプロセスもとても大切にさせていただいております。
もしよろしければ、一緒にデザインを作らせていただけると幸いです。



今回ご紹介させていただいたみなさま


Dear Familyさん




イラストレーター:新藤里恵さん